浄土宗 法玄寺

住職挨拶


東京工業大学で学位を取得した後、先代が創設に尽力した足利工業大学の建築学科に勤める一方、法玄寺副住職として法務にたずさわってきました。平成十四年には晋山式を行い、先代の後を受け法玄寺第二十四世、覚誉幸信として法灯を継ぐことになりました。
宗教者としてまた研究者として思うことは、知識と智慧がいかに違うものであるかということです。人間の知識の成果である科学技術の進歩により、家にいながらにしてインターネットにより日本はもとより世界の情報を得ることができます。どこにいても携帯電話により連絡できるし、出会った光景を写して遠くに送ることもできます。

 その一方で、青少年のイジメや引きこもり、通り魔による無差別殺人など、人間の進歩を疑うような出来事が、毎日のようにマスコミで報道されます。
それこそあまりに日常的に異常な出来事が起きるので、つい感覚的に麻痺してこれらを普通のことのように受け取るようにさえなっているかのようです。

 浄土宗の宗祖である法然上人は一枚起請文の中で、「知者の振る舞いをせずして、ただ一向に念仏すべし」と述べています。「人間いかに生きるか」という永遠の問いの前には、いかなる知識や科学技術をもってしても答えることはできません。我々は知識はあっても、生きる上では誰でも智慧のない愚者なのだ、という自覚を持って生きていくことが何より必要ではないでしょうか。
                                  十念


略 歴
昭和27年  栃木県足利市生まれ
昭和51年  東京工業大学建築学科卒業
昭和56年  知恩院にて加行を受け、小僧都になる
昭和58年  東京工業大学博士課程修了、工学博士の学位を取得
昭和59年  法玄寺副住職、足利工業大学建築学科講師
平成 3年  パリ第8大学フランス都市計画研究所に留学
平成14年  晋山式を行い、法玄寺第二十四世となる
平成15年  日本建築学会賞(論文)を受賞
平成23年  不動産協会賞を受賞
       足利工業大学建築学科教授(工学博士)
平成30年  足利工業大学退職
       名称を変更した足利大学より名誉教授の称号を受ける
現 在    法玄寺住職
著 書    シルクロード一人旅、フランスの景観を読む
       美観都市パリ、フランスの環境都市を読む

副住職挨拶

令和五年四月より法玄寺副住職を拝命いたしました蟹和大穣と申します。
東京海洋大学にて学位を取得し、一般商社に勤めた後、
縁あって浄土宗大本山黒谷金戒光明寺にて三年間奉職してきました。
不思議な縁に導かれ、法玄寺の副住職としてこれから精進してまいります。
仏教を開かれたお釈迦様の教え、浄土宗の根幹である阿弥陀様の教え、法然上人の教えを絶やすことなく「おてつぎ」することを第一に考えています。
また今後は法玄寺の法灯を継承し、足利の地域寺院として、文化、教育、福祉における地域資源として、地域創生に寄与するお寺の社会参加のあり方を考えていきたいとも思っています。
法然上人が、世の中を「明るく」、人間として「正しく」毎日を送り、社会全体が力を合わせ「仲良く」平和に暮らさして頂ける道として示してくださった浄土の道をしっかりと踏みしめ、進歩向上の日暮を送らして頂きたいです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

應譽大穣 合掌

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